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読書感想文 アーカイブ

2010年05月10日

死ぬときに後悔すること25

生まれるという事は死ぬということで、表裏一体の事柄。
しかしながら、今の社会では死というものは一部の施設、空間に隔離され、死そのものを実感するという事は非常に少なくなっています。

さて、この本は緩和ケアをされている筆者が見取ってきた人々の人生に対する後悔をまとめたもので、それを知ることで、生きている人はより良く生きよう!と指針を示すものです。

…教科書的な読書感想文の出だしだったらこんな感じでしょうか?
この本を読んだのはまさに上記の理由でして、どれだけの人生賛歌なのかな?という想いと共に、自分が想像し得ない後悔を抱えている人の例を目の当たりにすることで、自分の頭を思いっきり殴られた様な衝撃を受けたいと思っていました。

結論。。。読むに値しない。
書いてあることはもっともな事で、納得はできると思います。
しかし、自身の患者さんの事例から一歩引いて書いているため、まさにそこで後悔をしているという臨場感に欠けます。それは即ち、我々に生きている今から後悔を促すものでなく、「そうだよねー、そういうこともあるよねー」という軽い同意を得るだけに留まってしました。

あと、字が非常に大きいですね=本の大きさ・厚さの割りに中身がない。
字が大きいから簡単に読めるよー、って、これは褒め言葉なんでしょうか?(汗)
ハードカバーって値段が高いので、購入を躊躇してしまうことが多いのですが、さもありなん…。やっちまった…って感じです(泣)

人が生まれて、当たり前ですが死ぬという、一つ流れ。
しかし、核家族化、老いの隔離等の社会情勢により、若いうちに死・老いというものを実感することは少なくなってしまい、自身がその流れを体感するのが最初で最後の様な人生。
先達の知恵、そして目の前で起きている事柄を経験するということが少なくなった生活。そういった生活を選ぶことで、日々の暮らしは綺麗で楽になったと思います。
でも、大事な何かを経験せずに生きている…そんな気がしてなりません。

本来、生きる=死ぬという程、一体のものから目を背けることは出来ない事柄です。
そして、いかに生きるのか=いかに死ぬのか、だと思います。
テレビゲームの中ではなく、まさにそこにあるリアルの人の命の重さ、あるいは軽さ。もっと触れなければ、考えなければいけない事柄だと思います。

Posted by りじんぐ at 19:03

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