« 燃え尽き | メイン | 男ばやし »

ハレ晴レユカイに見る今後のCDの売り方

2006年05月16日

ハレ晴レユカイに見る今後のCDの売り方

以前、魔法先生ネギま オープニングテーマの主題歌CDをオリコン1位にしようというイベントが2chで開かれた事があった。その結果、オリコン1位に…なる事はなく、所詮は2chの力はこんなものか?と思われた。

今回同様のイベント、涼宮ハルヒの憂鬱エンディング主題歌CDをオリコン1位にしようというものが盛り上がった。結果として、オリコン1位を取ることは出来なかったが、その売り上げは
デイリーランキング(コメントはコピペ)
10日 水曜日発表 15位(09日分) 【フライングでほとんど消化】
11日 木曜日発表 21位(10日分) 【発売当日、各店在庫ほとんどなし】
12日 金曜日発表 18位(11日分) 【再入荷も数少なく、難民続出】
13日 土曜日発表 02位(12日分) 【各店大幅再入荷。amazon発送開始(集計対象と思われる)】
14日 日曜日発表 10位(13日分) 【12日までの絶望ムードの結果】
15日 月曜日発表 16位(14日分) 【2位祭の結果】

ウィークリーランキング
5位は、平野綾,茅原実里,後藤邑子の「ハレ晴レユカイ」(初登場赤丸付、3.5万枚)。TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』EDテーマ。

となった。また、様々なニュースサイトによるとオタクのメッカ秋葉原では軒並みこのCDは完売となってしまった様だ。秋葉原で買うから完売なのであって、当方の様に普通に地元ショップに注文していた身にとっては、「そんなところで買うから…」とも思える事象ではある(笑) そうは言いながらも、秋葉原のある店舗に入荷したそのCDは2200枚と言うような記事も流れており、(秋葉原では)それなりの売り上げがあり、また潜在的な需要がありながらも供給の方が追いつかなかった様にも思われる。

つまりは、このCDは久々に売れたCDだ!と言えるのではないだろうか?

では、なぜこのCDは売れたのだろうか?

まず第一に露出度の高さが挙げられる。
昨今、アニメ主題歌CDの発売数は恐ろしい数であり、特にこの春は新番組が60本とも70本とも言われている。その中で、オープニング/エンディングと主題歌があり、また、オープニング/エンディングがカップリングで発売される事が少なくなった現状を考えうると発売されたCDの数は120を越えるものだろう。これだけの数をまんべんなく買う事が出来るのはもはやコレクターだけであり、たいていの人は自分が気に入ったCDを手に取っている事だろう。しかしながらこれだけの数の曲を聴いて、自分が気に入ったものを選ぶ努力をするものだろうか?やはり自分が視聴している番組の中で気に入った曲を探すものだろう。この視聴するという一点で、ハレ晴レユカイは非常に恵まれていた。なぜなら、おびただしい数のMADが制作され様々なニュースサイトで紹介されたからだ。
繰り返し繰り返し様々な素材で紹介された本曲は、知らず知らずのうちに視聴者の頭の中に刷り込まれていったと考えられる。結果、非常によく周知されたのだ。

第二点に2chのイベントが挙げられるだろう
曲に慣れたところで曲を気に入ればそのまま購入しているだろうが、まだ迷いのある者にとっては、この様なイベントはちょっと興味があるものであり、背中を押す力となりうるだろう。
先のネギま主題歌ハッピー☆マテリアルが同様のイベントを行っていたにも関わらずたいして売り上げを伸ばすことが出来なかったのは、第一点に述べた周知が進まず単にイベントをしていたからにすぎないのではないだろうか。

以上、ハレ晴レユカイはよく売れた!めでたし!めでたし!
…ではつまらない。

それではなぜ、ハレ晴レユカイはこんなにもMADで取り上げられるようになったのだろう。
最初に本曲が放映された時にあがった声として「神作画」という言葉がある。本曲は登場キャラクターが踊りを踊るシーンを中心として構成されているのであるが、そのシーンは実に丁寧に描かれている。また、それぞれのシーンを音楽に合わせて作っており、映像と音楽が良くマッチしているのだ! …とは言いながらも、適当な止め絵を使った映像も多数あり、正直そんなにMADを作りたい曲なのか!?と考えてしまうのは当方だけだろうか?
まあ、世の中には京都アニメーション信者と言う者もおり、京都アニメーション制作であるだけで、ステータスとなっている現実は否めない。まあ、テンポよく作られたエンディングである事は違いない。

そして、作成されたMADはこの踊りをガンプラで再現したもの、プロレスゲームで再現したもの、そして実写で再現したものと様々な「再現」MADが発生した。そうなのだ、今回のMADは実際に踊りを再現する事がメインであり、いろいろな形で再現したい!と思わせることが出来た事がMADを制作する原動力となったのだ。

一般的によく出来たオープニング/エンディングと言うものは数多く存在する。ローゼンメイデントロイメントの聖少女領域などは放映時に「神」と言われることが多かった。しかしながらその「神」であるオープニングは元々の映像からして「神」であり、それを他の手法で再現しようと言う者は現れなかった。いや、独特の世界観の中での神であるため、それを他の世界観で再現する必要すらなかったのだ。そのため、この曲は称えられながらもそれで終わってしまった。

誰もがMADを作りたいと思える、一般的な世界観の中で作られたハレ晴レユカイ。みんなで歌って踊れる映像と言うものはMAD制作者の心をくすぐるらしい。もちろん、この曲がキャッチーな曲でわかりやすかった事も挙げられるが、映像と音楽をうまくマッチングし、視聴者を引きつけるとこれほどまでにCDの売り上げにつながると言うことを制作者側も意識したのではなかろうか?

次のオープニング/エンディング変更の山は1クール先、7月頃になるだろう。7月にはハレ晴レユカイの成功を意識した曲が出てくるだろうか?出てくればマーケティングを意識したプロデューサーがいると言うことだろうし、出てこない様であれば、所詮は上から言われたものを作っているだけの組織でしかないのだろう。マーケティング能力、そして、制作者の技量が7月頃には明らかになりそうだ。

Posted by りじんぐ at 19:31

About

2006年05月16日 19:31に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「燃え尽き」です。

次の投稿は「男ばやし」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type