2010年01月27日
世の流れはダウンロード販売へ[ アニソン ]
音楽を取り巻く環境はめまぐるしく変わりつつあります。
昨今は、オリコンのランキングも実際によく聞かれている曲とは違ったものが上がってきていますし、そもそもCDの売上げが数千枚でオリコンの上位にランクインできるようになったというのは、CD文化からの移行を如実に示しているのでしょう。
では、どこに移ってきているのか?と考えると、やはり一番最初に浮かぶのはiPod等に象徴される携帯音楽プレイヤーでしょうか。
今回は、携帯音楽プレイヤーについて考えていきたいと思います。
先ず、携帯音楽プレイヤーの歴史を振り返ってみましょう。
1998 mp3普及期へ
1998 mpman出荷開始
1998 RIO出荷開始
2001 iPod出荷開始(Mac専用)
2002 iPod出荷開始(windows対応)
2002 gigabeat出荷開始
2005 iTunes Store開始(日)
今ですと、携帯音楽プレイヤーというとiPodの代名詞的なところもありますが、そのiPodの累計出荷台数が1000万台を突破したのは、2004年10月頃であり、当初は様々なmp3プレイヤーによる群雄割拠がされていた感があります。
当時のmp3は非常にアングラな雰囲気がありまして、MP3TIDALWAVEなどのサイトをドキドキしながら見ていたことを思い出します。
# うちのサイトが当初、背景が黒だったのは、MP3TIDALWAVEの影響を色濃く受けたものだったりします(笑)
さて、日本レコード協会では、音楽配信の統計もとっています。その有料音楽配信売上実績によりますと、
となります。本来の日本レコード協会の統計では「Ringtunes」「Ringbacktunes」「シングルトラック」という分類をしていますが、これはそれぞれ「着うた」「着メロ」「着うたフル」という表記に置き換えてグラフを作成しています。
これを見て先ず驚くのがインターネットによるダウンロード金額・件数の少なさでしょう。
p2pによる違法ダウンロードに影響を受けているのかどうかという可能性についても言及してみたいところですが、今回はスルーしておきます。
モバイルについて考えると、CD購入と競合する項目は「着うたフル」のみとなりますので、着うたフルの挙動に注目しなければなりませんが、2005年より伸び率が殆ど変わらず伸びてきていることがわかります。
この統計には、2004年のデータはありませんが、伸び率を考えると、2004年はほぼゼロになりそうです。
また、着うたフルのサービスが開始されたのは2004年11月ですので、まさに2005年スタートと言って良さそうです。
…と、言うところでお気づきでしょうが、CDのダウンロードの代替となるべきモバイルサービスの着うたフルは2004年以前はほぼゼロだったという事で、CDの売上げ減が1999年から始まっていることを考えると、CDバブルがはじけた原因とはなりえないという事です。
また、日本でのiTunes storeの展開も2005年から。
ダウンロード販売が始まる以前から、CD業界は斜陽を迎えているのです。
それにしても、着うた、着メロの売上げ等もかなり大きいことが分かります。
これは音楽の新しいサービスの方向…曲を聴くということではなくて、曲を利用するという方向性を示唆していると思います。
今まで、消費者は音楽を聴くということしかCDの利用方法は殆どありませんでした。しかし、携帯の登場により、誰もが音楽を加工して利用するという、聴く以外の楽しみ方が身近になったのは、音楽という嗜好そのものの新しい芽生えではないでしょうか。