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CD売上閑話休題

2010年02月19日

CD売上閑話休題

今回、こういった事を改めて書こうとした際、やはり必要となるのは現状を分析した根拠になるわけで、色々な資料を集めていました。
そして思うことは「有料の資料ばっかり」ということで、どこぞの企業が分析するのなら予算は潤沢でしょうが、一市民が行うには予算はありませんし、分析したからどうこうという結末があるわけでもないので、そんなにお金をかけることが出来ないという現実でした。

そんな訳で殆どの資料がネット上に散逸している断片を集合させて作ったものになります。一番大きな資料は総務省の統計局の資料ですが、かゆいところに手が届かない資料でして、詳細を知りたいとなると「○○白書」という有料の資料にたどり着くことばかりでした。

中でもネットでそういった統計を公開していないところは悩みました。
一番悩んだのは、ゲーム機の販売情報を知るための、社団法人コンピュ-タエンタ-テインメント協会発行 CESAゲーム白書でした。サンプルPDFとして、近年のものだけはあるのですが、過去の情報が一切拾えない…。某海外サイトでゲーム機の販売台数を拾いましたが、日本で情報を拾えないことにがっかり。生データはともかくとして、グラフ等を公開して、ゲーム業界に提言をしていくという事はないのでしょうか?>CESA

さて、それはともかくとして、ゲームも最近は落ち目な感じがするのですが、気のせいですか?
気のせいではないと思います。据え置き型ゲーム機は明らかに縮小傾向(いずれ、本記事でグラフを示します)。しかし、携帯型ゲーム機の躍進によりかろうじて保っている感があるのが、現在のゲーム業界の様です。

どこも同じなのかな?
ってのが、現在の率直な感想です。

何でも生まれてから、衰退するまでに「○年かかる」…なんて説でも唱えられそうな予感。

人間の飽きるスピードと言いますか、サイクルと言いますか、そんなものがあるのでは?と思いたくなる様な、成熟した文化が衰退していく…
それは決して、その文化がなくなる…ということではなくって、皆が熱狂的に一つのものを支持する、支持できるのは、ある一定の期間しか保たなくて…なんていう、人間学と言うか、社会科学と言うか、そういったものになっていきそうです。


で、色々な分野で既存の文化の衰退(に見える、一時的な?縮小)があります。「ラジオ」文化もその一つです。
ラジオの危機は「生声の危機」でもあるより

あらかじめメーカー側でセット済みのだって、あるはずだが、彼女達にとっては「友達が誰も聴いてないし、話題にならないからどうでもいい」とあっさり切り捨てている。
上記は、何故、ラジオを聴かないのか?という疑問に対する女子高生の回答なのですが、
・ラジオのチャンネルを合わせるという行為そのものができない
・友達が聞いていないから
と、あっさりと切り捨てます。メディアの側から歩み寄らないとダメ。更にそれが流行にならないとダメ。
これはハードルは高いわ。

次は新聞・書籍業界の話。
変幻自在のアップル「iPad」、紙メディアの逆襲始まるより

同時に、生き残りに必死の欧米メディアは、全力をあげて勝ち馬に早く乗ろうと、キンドルだろうがiPadだろうが挑戦する意欲を露わにしている。「乗らないリスクの方が高い」。少なくとも今は、そう考えている。伸るか反るか、一か八か。とにかく、一歩足を踏み出さなければ、何も変わらないと。
これは、アメリカでの話し。
アメリカでも紙メディアは苦戦しているのですね。日本も新聞離れ、雑誌離れ、書籍離れ…と、そんな傾向があるようで、私自身も本を買うことは減ったなぁ~と。買うのは、技術的な解説本ですとか、せいぜい単行本。ハードカバーの本、高すぎですよ!

でも、アメリカは凄いなぁ~と思います。
もう、自分のメディアが青息吐息である事を理解していて、次の勝ち馬に乗ろうとしている。これは日本の色々な業界で出来なかったことだと思います。

待つのは音楽産業以上の悲惨な未来か? 出版業界を駆け巡る電子ブック狂騒の罠
まあ、こんな意見もありますけれど。
それでも、日本は何もせずにいるのに比べて、やっぱりアメリカの方が前向き、貪欲だと思います。

日本の後ろ向きさの一例とすると音楽業界。コピーコントロールCDを発売して、購入者の利便性を制限。
MIDIサイト潰して、音楽の楽しみ方を制限(JASRAC登録すれば…とは言うものの。。。)
逆輸入CDの制限。
ダウンロードを違法化して、、、まあ、これは仕方がないか(^^;;

しかし、こうやって見てみると、新しい事に対して最初に「拒否」ありきの姿勢でいたのが、日本の音楽業界なのかな?と思えます。
損して得取れ!と、無責任には言えませんけど、既得権益を守ることばかりで新しい流れに逆らってばかりいて、結局、新しい流れに乗ることも出来ない。衰退していく道を選ぶのが日本…なのかな、、、なんて思います(滅びの美学は美しいもので、日本で織田信長や、源義経(判官びいき)が好まれるのはある意味、自分自身を重ねた…、重ねたい(?)美学なのかな?)


ところで、こんな調査結果があります。
音楽購入はCDが56.2%、ダウンロードが11.1%。アイシェア調査
音楽業界に目を転じると、CD不況とは言いつつもまだ買っている人がこれだけいるのです。
そういった人を大事にしていくように目を転じないと、もうね。。。

更に、ビートルズのリマスターCDが大ヒット 時代を超えてファンが増える理由とは?を読んでいただくと分かりますが、コピー制限なんてしなくてもいいものは売れるんです。
CDが売れない理由を自分でなく、他者に求めたとき、この業界の未来が決まったのではないでしょうか?

Posted by りじんぐ at 18:21

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2010年02月19日 18:21に投稿されたエントリーのページです。

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