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CDは誰が買うの?

2010年02月02日

CDは誰が買うの?

さて、引き続き、CD不況の原因と呼ばれるものについて見ていきます。
先ずは少子高齢化の問題です。

これは、そもそもCDは若者文化であり、CDを買う層が少なくなったから…と言うものです。
日本の人口は未だもって増加傾向にある事実を捉えて、この説を聞くと面白いですね。

この考えは、CDを買う層というのが特定の層を中心としていて、ある一定の年齢になったらCDから卒業し次の若者層がCDを買ってくれる…という意識がないと生まれてこない発想です。
CDから卒業することがなければ、新しい若者層がCDを購入する層に合流してくれば、日本の人口(高齢者)が増えている現状では、CD購入者というのもは減らないのです。

それではグラフを見てみましょう。
CDの購入が出来るような年齢を15歳以上と考えて、15歳以上人口の推移を見てみます。
総務省の人口統計を利用して、年齢別(5歳毎)+15歳以上人口グラフを作ってみます。
population.jpg
こちらは、年齢別の積み上げグラフに、15歳以上の人口の推移をオレンジ色の折れ線で表示したものになります。
CDの売上げが減っている1999年以降でも、15歳以上人口は増えています。
現実にはターゲット層の人口は言うほど減っていない…というか、まだ増加傾向にあるのです。

少子化のため、CDの売上げが減っているという人は、CD(音楽)は(若年)世代限定の嗜好品であるという意識があるのでしょう。完全に若年世代をターゲットとした商品としてCDを捉えて、以下のグラフを見てみましょう。2000年を100とした、年齢別人口の推移です。
population2.jpg
確かに若い世代は減っています。
尚、人口統計は1985年~2005年までは5年刻みのため、その間を補正した数値で埋めてあります。

CDのコア購入層の世代を10歳~34歳として良いのかどうか分かりませんが、この年代くらいでしょうか?その世代の人口推移(赤い太い線)を見ると、確かに減少傾向にあります。

確かに、コア層に関しては人口が減りつつありますので、少子化が原因…と言えなくもありません。

しかしながら、この考え方はなんとも勿体無いと思います。
それと言いますのも、一回は音楽にハマった層を卒業させてしまっているという事だからです。音楽は身近に存在するものですが、それを若い世代のみのものと考えて提供しているという考え方。それは、そもそも会社のセールス手法としても間違ってます。運動神経が必要だから若い世代しかダメ、頭の回転が速い若い世代しかダメ…と言うように年齢制限をする必要のない分野なのですから。

歳をとったって、音楽は普遍です。何歳になっても楽しめるというのに。
ただ、いつまでもヘビメタが好き…って事はないでしょうから、世代にあった音楽を提供していく必要があります。

目先の売上げにばかりこだわるあまり、ビジョンを描けず、思考を停止させた音楽業界がそこにある様な気がします。

Posted by りじんぐ at 19:11

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2010年02月02日 19:11に投稿されたエントリーのページです。

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