2010年03月29日
CDを喰らったものたち[ アニソン ]
前回のシリーズからだいぶ空きましたが、引き続きCDを喰らったものたちについて。
CDと競合しそうな分野、CDと相乗効果を生み出す分野、様々ありますが、そういった分野は今現在どういった状況なのかを見ていきたいと思います。
・カラオケ
先にカラオケ人口を示しましたが、下り坂です。
・テレビ
総務省によるテレビ視聴時間の推移を見てみましょう。
大きな変化はないことが見て取れます。
・携帯電話加入者数
総務省によりますと、1990年代後半から一気に加入者数が伸びています。
1999年には6000万台。日本の人口のおよそ半分の人が持っていることになります。
これだけの人数が持つようになると、学生にも携帯電話が行き渡るようになって来ているでしょう。
そして、お小遣いが限られている学生などは携帯電話以外に振り分けるお金と時間が減ってくることも考えられます。
・車
自動車検査登録情報協会の自動車保有台数によりますと、
乗用車は統計が始まって以来、右肩上がりで増加しています。
さすがに最近は伸びが止まっている様ですが、この増加率はすごいですね。一気に車社会に突入したという事が見て取れます。
バブルの頃は、車にお金をかけることもステータスだった時代があったように思います。もっともこのグラフは車の台数のグラフなので、「趣味としての車」「実用としての車」は区別されませんが、車の台数が増えるという事は、家計のどこかの支出を食って増加している…と考えられないこともありません。先の車維持費のグラフとあわせて考えると、車の台数が増えるにしたがって、1世帯辺りの車維持費が増加していますので、逓増の傾向があるのかと思います。
尚、2005年の国勢調査によると、日本の世帯数は4906万世帯ですので、1世帯に1台以上車が普及したという事が言えるでしょう(実際は業務用に使用している車もあるでしょう)。
次に各種のレジャーをみてみます。財団法人 自由時間デザイン協会 「レジャー白書 2002」…ちと、古いデータなのですが、こちらの白書も有料でして、ネット上で手に入るデータが限られていましたので、ご容赦ください。
こちらも、増減率で見たほうが分かりやすいので、増減率で見てみましょう。
1993年を100(パソコンのみ1996年を100)としてあります。
テニス、釣り、ゴルフ、スキー、ギャンブル関係が落ちてきています。増加・横ばいのものは、ジョギング・マラソン、旅行、学習、外食、音楽鑑賞!。
パソコンは増加が著しいですね。
興味深いのは音楽鑑賞が趣味と答える人は、CD不況以前/以後も大差がないということ。それなのに、CDの売上げが落ちているというのは面白いですね。
ただ、「趣味は?」と訊かれると、とりあえず「音楽鑑賞」と答える人も多いかと思います。音楽鑑賞という趣味の重みは微妙な感もあります。
全体的に言えそうな事柄とすると、1998-2000年にかけて、CD不況のライバルたりえるものはここには居ないということではないでしょうか?
逆に、CD不況と共に不況期に突入している趣味も存在するように見受けられます。
例えば、テニス、ギャンブル等はその最たるものです。
特にテニス等は、かつて、趣味の王者と言われて全盛を誇っていた様に記憶していたのですが…
私が今の職場に入ったときのみなさんの趣味を聞いていると「夏はテニス、冬はスキー」という人ばかりでした。それが今や…。ちなみに私自身も中学生の頃は目にいいという理由(ボールを目で追うのがいいのでしょうね)で、テニス部に入っていました。でも、テニスそのものは好きではなかったので途中から幽霊部員に…。コレクションもそうですけど、目的が不純だとダメですなぁ…(汗
さて、先に挙げたグラフでゲームの支出が伸びていました。ゲームもCDのライバルと言える存在かも知れません。
次回はその歴史を振り返ってみましょう。