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同じ道を歩みつつあるゲーム~そして終焉へ

2010年03月31日

同じ道を歩みつつあるゲーム~そして終焉へ

CD業界と似通った動きをたどっているゲーム業界。
しかし、CD業界よりもチャレンジしていて、良くなっていきそうな気配もあります。
そこにCD業界との共通点と今後を見出して行こう…と考えていたのですが、なんだか、もうこの記事はいいかな…って気になって来てしまいました。

…と言うのも、分析していけば行^くほど、後ろ向きの業界の姿が見えてきてしまって、そんな姿を見るに付け「ああ、私はこの業界で働いていなくて良かった…」なんて思ってしまうのですから。。。

ゲーム業界について簡単に述べておきます。
先ずは、ゲームハードの出荷台数の変遷を見て頂きましょう。
gamehard.jpg
ゲーム業界も斜陽を迎えつつあります。据え置き型ゲーム機の出荷台数は明らかに斜陽と言えます。
しかし、家庭用ゲーム機の出荷台数を見てみると、2005年を契機に増加方向に転じています。何故かと言うと、据え置き型ゲーム機の穴を、携帯用ゲーム機が健闘して埋めているのです。
これは「携帯用ゲーム機」の高性能化による新しい楽しみ方を提示することが出来ている証なのではないでしょうか。

翻って、音楽業界の断片を2chのとあるスレにも見ることが出来ます。
通信カラオケMIDI制作者 憩いのスレッド
こちらは、通信カラオケのデータを作っている方が集まっているスレです。
過去のスレから見ていると、1曲辺りの制作単価の下落 5万円/曲 → 最安 1.5万円/曲 なんて話もありますし、発注が切られたなんていう話もあります。
そもそも、カラオケメーカーの淘汰再編もあり、発注元が減っています。
また発注が海外に切り替わっているという話もありまして、直接CDとは関係はありませんが、音楽業界の厳しい実態を別の面から見ることができると思います。

前回の記事で書きましたが、作曲者も苦しい生活。カラオケ制作も斜陽…と。成熟しすぎて、斜陽ってのもなんだか悲しいですけど、作る人が食うや食わざるやでは、いいものは出来ませんよね。
…とか言うと、ゴッホは絵を描く道具にすら困るくらいの貧乏だった...なんて指摘があるかも知れませんね(笑)


なんでこうなったのか?と言うことを考えるのですが、音楽業界って言うのは、売る人と作る人がきっちり分かれているからなのではないでしょうか。
作る人と売る人が分かれていて、それだけなら問題はなかったのでしょうが、売る人の声が大きくなってしまい、業界が傾きかけても製作者を酷使・搾取すればなんとかなると判断し、実行してしまったのではないかと。

そして、何故その様な道を選んでしまったのかな?と考えると、それは「既得権」「原因他人説」に尽きるのではないかなと思います。自分が得たものを守る時に、自分の領域に侵入した者が悪いから、そちらを叩こうとしたために、原因を人に丸投げしてしまった。その時に何故、自分の力が弱くなって来たのだろう?どうやったら盛り返していけるのだろう?と考えることをしなかった。人に責任を転嫁し、考えることを止めてしまうとそこで全ては終わってしまうのかな…と考えます。そもそもそれは「既得権」と言うべきものではなく、努力の賜物の上に得られる対価だったという事を忘れてしまったのかな?と。

今までに書いてきましたが、CD業界が原因を転嫁した事柄…
・コピーコントロールCD
・輸入盤制限
・違法ダウンロード

そんな事を考えていると…
http://www.nikkeibp.co.jp/article/nba/20100326/217846/

質問「どうやったら思考が深くなりますか?」
回答「それはずばり、人のせいにしないことです」
と言うものがありました。
自分の問題点を直視しようとしない者はどうなるのか…。「何も考えていなかった」という当たり前の帰結がここにあるのでしょう。

【第108回】部下は育つもので、育てるものではありませんにありますが、

労働組合の執行委員にも、人を育てることが求められます。特に会社の外にある外部組合(コミュ二ティ・ユニオンなど)は、組合員が次々と増えるわけではありません。おのずと財務は不安定になり、人が集まらず後継者が育ちません。
とあります。これは人材的な面でのお話ですが、商売も一緒ですね。組合員→お客さんと置き換えてみると分かり易いと思います。売りたいものがあるのであれば、売るための層を育てなければなりません。現状に甘んじているだけですとジリ貧になってきます。


ファンに新しい提案をしていくことが出来なかった、ただ単に現状を維持する事に力を費やしてしまった。そして、そのために、思考を停止してしまった、この業界に黙祷を捧げます。

Posted by りじんぐ at 20:10

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2010年03月31日 20:10に投稿されたエントリーのページです。

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